2022年7月22日金曜日
一般論は必ずしもすべてのケースにあてまるわけではない、日本経済や日銀の特殊性を考慮に入れるべきだ、ということがウィドウメーカーたちのレッスン
まあ、最近のヘッジファンドの日銀に関する意見をいろいろ読んでみると(たとえば、ブルームバーグ紙など)、このスイス人のヘッジファンドも同じような意見だね。インフレで世界の中央銀行が金利を上げているので、日銀も結局それに続くようになる、ということらしい。
しかし、これまで多くのヘッジファンドの日銀予想(次々発行される国債を支えるために金利上昇は不可避)は外れつづけたため、かれらは「ウィドウ・メーカー(失敗して未亡人をつくりだす)」と揶揄されてきた歴史がある。そこには、世界一般にそうだから日銀もそうなるに違いない、という論理があった。
要するに、一般論は必ずしもすべてのケースにあてまるわけではない、日本経済や日銀の特殊性を考慮に入れるべきだ、ということがウィドウメーカーたちのレッスンであった。おそらくそのために、さすがに今回は、再びそこに踏み込むヘッジファンドはまだまだ少ないように見受けられる。
少しでも日本を知っているものなら、今回も又、日本はかなり特殊だということに気づくだろう。そもそも、世界の中央銀行が金利上昇に踏み切らざるを得なくなっているのは高いインフレ率のためだ。ところが、日本ではそれほどでもない。
今年のアメリカと日本(カッコ内)のインフレ率を比べてみよう。
1月 7.5(0.5)
2月 7.9(0.9)
3月 8.5(1.2)
4月 8.3(2.5)
5月 8.6(2.5)
6月 9.1(未発表)
未来のことはわからないが、いまのところ、日本の経済が世界のそれとは異なった動きをしていることは確かだろう。おそらく日銀は金利上昇への圧力を世界と比べてそれほど受けてはいないだろう。
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