2022年11月12日土曜日
もし政府を小さくできなければ、すくなくとも、ねじれた政府が望ましい
中国は関係ないと思います。というか、中国が陰にいるというような陰謀論を持ち出すことなく、今回のイーロン・マスクの共和党支持はもっと合理的に説明できます。そもそも彼自身がそのことをちゃんと説明しています。「民主党でも共和党でも、どちらかの党が一方的な影響力を持つのは良くない」と。つまり、現在、行政府(ホワイトハウス)は民主党が支配している。だから議会は共和党が支配した方がよい、という主張です。
これは、ようするに、政府はねじれていた方がよいという考え方です。もともとノーベル経済学者のミルトン・フリードマンの説で、アメリカのエコノミストや経営者の間ではよく知られています。フリードマンの学説は「小さな政府」を説いたことで有名ですが、政府はねじれていた方がよい、というのはこの「小さな政府」の考え方から来ています。
「大きな政府」の典型的な例は社会主義国家です。社会主義国家では経済を回すのは政府です。絶対的権力を持つ政府がすべてをコントロールします。「小さな政府」の典型は資本主義国家です。資本主義国家では経済を回すのは自由な市場です。「小さな政府」の主要な役目は国防と警備であって、そのほかはできるだけ民間にまかせるとき社会はもっとも発展するという考えです。サッチャー政権やレーガン政権がその代表ですが、日本では郵政民営化の小泉政権がそれにあたります。
フリードマンはしばしばアメリカの政府は大きくなりすぎていると批判していますが、もし政府を小さくできなければ、すくなくとも、ねじれた政府が望ましい、もし政府がねじれていれば経済が発展する、と主張しました。なぜなら、どんなに図体が大きな政府でも、内部が分裂していれば、政府は思うように仕事ができない、つまり経済活動は民間主導になる、というのがその主張です。
イーロン・マスクには、政府には民間の活動にあまりちょっかいを出してほしくない、政府が民間をコントロールするのは良くない、という考えがあるのだと思います。
https://www.youtube.com/watch?v=vxUDPWUlHzw
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