2024年9月16日月曜日

アラン・リクトマン教授の大統領選予想

アラン・リクトマン教授によると、いわゆる「ホワイトハウスへの13の鍵」のうち6項目以上が否定されれば与党候補者(民主党候補者ハリス氏)が負ける、という方式です。今回は多くても5つ以上は否定されない、という結論となり、ハリス氏が勝利する、という予測となりました。 【ホワイトハウスへの13の鍵】と各項目の結論 1.与党が前回の中間選挙で議席を増加(否定=与党候補者に不利) 説明:2022年の中間選挙で民主党は議席数を減らしました(つまり最初の二年間のバイデン政権の実績があまり評価されていなかったことをしめしています) 2.与党の予備選で競合者がいない(肯定=与党候補者に有利) 説明:民主党代表を選ぶ予備選で競争相手がいなかった(民主党は一人の候補者の下で意見がまとまり、分裂を免れている) 3.現職が再び選挙に出る(否定=与党候補者に不利) 説明:現職大統領のバイデンではなくハリスが候補者になった 4.有力な第三政党がない(肯定=与党候補者に有利) 説明:ロバート・ケネディの息子が無党派で立候補していたが、結局撤退した。撤退してなくても、民主党の候補者がバイデンからハリスに変わったため、かれの存在意義が薄れてしまっていた。 5.短期の経済が好調(肯定=与党候補者に有利) 説明:これに関してはかれは厳密な定義を与えています。つまり「大統領選のある年にリセッション(景気後退)がない」ということを意味します。ところで今年米国ではGDPがプラス成長しており、これから投票日までの二カ月間ほどでリセッションを意味する「2四半期連続のマイナス成長」となることが不可能となっています。 6.長期経済が好調(肯定=与党候補者に有利) 説明:これに関してもかれは明確な定義を与えています。それは「前期(トランプ)と前々期(第二期のオバマ)の大統領時代の時よりも景気が良い」ということです。トランプ政権の経済は前半はよかったのですが、後半はコロナ問題で大不況に陥りました。 7.大規模な政策転換をした(肯定=与党候補者に有利) 説明:移民政策やエネルギー政策やインフラ設備投資などでトランプ政権下の政策を大きく変えた、等々(それらが高評価を受けたかどうかは関係なく、大きな政策転換を実行したという事実が鍵となる、と彼は言っています。) 8.広範で持続的な社会的騒乱がない(肯定=与党候補者に有利) 説明:1960年代の公民権運動やベトナム戦争反対運動や2020年の白人警官が黒人を虐殺した事件に対する抗議運動のような全米各地で持続的な騒乱はバイデン政権で起きなかった。 9.個人的なスキャンダルがない(肯定=与党候補者に有利) 説明:ハリスにはニクソンやトランプのような個人的なスキャンダルがない 10.外交・軍事で失敗してない(いまのところ肯定=与党候補者に有利) 説明:カーター大統領のイランの米国大使館の人質解放での失敗や、ブッシュ大統領のイラク戦争で大量破壊兵器が結局見つからなかったというような大きな失敗が、いまのところない。しかし、もしこれからの二カ月間の間でイランとイスラエルが戦争がおき、バイデン政権がそれを止められないと、失敗となる可能性がある。 11.外交・軍事で成功している(いまのところ肯定=与党候補者に有利) 説明:ロシアのウクライナ侵略に対して、NATO諸国や他の諸国を動員して、ウクライナに支援やロシアに対する経済制裁を指導したことなどが、いまのところ支持されている。しかし、もしこれからの二カ月間の間でウクライナに最悪の事態が起きると、失敗に変わる可能性がある。 12.与党候補にカリスマ性がある(否定=与党候補者に不利) 説明:カマラ・ハリスにはカリスマ性がない 13.野党候補にカリスマ性がない(肯定=与党候補者に有利) 説明:トランプにはカリスマ性があるという意見もあるが、その人気は共和党内だけに限られたでものあって、ケネディやレーガン大統領のように、アメリカ国民全体に広く人気をもつものではない。むしろトランプの場合は嫌う人が同数、あるいはそれ以上存在するので、広範なカリスマ性に欠けている。 というわけで、否定される項目の数は3つで、6を大きく下回ります。これからの2か月間で変わる可能性のある10と11(外交・軍事)ですが、その両方が否定に代わっても、否定される項目の数は5つにしかならず、6を下回ります。その結果、かれは「与党候補が勝つ」と予測しました。


https://www.youtube.com/watch?v=fJwoB70CzBs

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