2022年2月25日金曜日

長い目で見ると、今回のロシアの行動がヨーロッパ側にとってよかったと思えるところ

短期的にはともかく、長い目で見ると、今回のロシアの行動がヨーロッパ側にとってよかったと思えるところがひとつある。 それは、ロシアの本性が見える化したことによって、これまであやふやだった冷戦以降のNATOの存在意義が明確になったこと。もう誰の目にも、いかにNATOが重要であるかということは明らかになったと思う。これから、ヨーロッパはより一層一体化し、NATOの軍事力は増強されていくことになることが予想される。要するに、ソ連崩壊後のロシアは自然に民主主義国家に移行し、世界の中の普通の国の一つになるだろう、という甘い夢ははかなくも崩壊した、ということだ。 これはアメリカの対中国方針の転換にも通じるところがある。鄧小平の資本主義投入から胡錦涛政権に至るまで、アメリカは中国に対して融和政策を行ってきた。アメリカも中国はやがて民主国に移行するであろうという甘い夢を見ていたからだ。しかしその夢は習近平政権の出現によって儚く崩壊した。中国は世界の中の普通の一国なろうとしていたのではなく、世界覇者になろうとしていたからだ。 西欧文明は国家の独立と個人の自由を求め続ける。しかし、プーチンと習近平は古典的帝国主義の復活を夢みているのだ。 プーチンと習近平の歴史的意義とはそういうことだが、果たして日本は「経済協力すれば北方領土返還もかなうだろう」とか「中国もわかってくれるだろう」とかという夢から覚めることができるのだろうか。自分は何もしなくても「アメリカが日本を守ってくれる」という夢から覚めることができるのだろうか。

岩屋外相 ウクライナ訪問 シビハ外相らと会談 支援継続伝達へ

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