https://www.kankyo.metro.tokyo.lg.jp/basic/conference/council/public_comment/public_comment_jourei.files/jourei_chuukan.pdf
「延べ面積2000平方メートル未満の住宅へ太陽光パネルの設置を義務化する」というのは、正確ではないです。中間報告を読んでみましたが、少し込み入っているので説明します。
そもそもなぜ「延べ面積2000平方メートル未満」という話が出ているのかというと、2000平方メートル以上の大型建物に関する条例はすでにあるからです。ところが、2000平方メートル以上の建物というのは件数としては全体のわずか2%(敷地面積では約50%)にすぎないので、中小規模建築が今回の検討の対象になったわけです。 ですが、延べ面積2000平方メートル未満の住宅すべてが設置義務の対象になるのではありません。まず(1)義務対象は建築主(家主)ではなく施工主(ハウスメーカー)であること、(2)また、小規模事業者はこの義務を負わず、延床面積が2000平方メートル未満の建物を一年間の総面積が2万平方メートル以上供給する供給事業者のみが義務を負います。さらに(3)その義務量は設置数ではなく、平均85%の設置可能率および1棟につき2kWの義務量によって決定します。 すなわち、ある事業者が年間500棟の建物を供給すると仮定すると、その設置義務は500棟すべてにパネルを設置することではなく、パネル設置の総義務量である500棟x85%x2kW=850kWかそれ以上になればよい、ということになります。その場合、たとえば次のような内訳が考えられます。 (ア)4kWを100棟に設置(400kW) (イ)2kWを250棟に設置(500kW) (ウ)150棟には非設置(0kW) で、合計が900kWとなり、義務量の850kWを超えているので、150棟が非設置でも、義務を果たしたことになります。 ちなみに、設置可能率85%はどこから来ているのかというと、「東京ソーラー屋根台帳」で太陽光発電の設置に「適」と表示されている屋根が全体のほぼ85%であるところから来ています。しかし、市街地などでは日当たりの確保や日影規制等の理由で、十分な太陽光発電設備を屋根に設けることが出来ないケースも考えられるので「区域ごとに応じた設置可能率を乗じて適用することも検討する必要がある」としています。