2024年10月14日月曜日

アジア版NATOとは、まさに、アメリカが助けに来てくれなくても、自らの国の自由と独立を守るためにはどうすればよいか、という問いに応えようとする試み

 https://www.youtube.com/watch?v=IRvw0BylqmA&t=626s

アメリカは”「短期的には不可能」と言っていますので実質的に否定している”、という解釈はあまり正確ではないと思います。「実質的に否定」という結論は読みすぎだと思います。むしろ”原理的には肯定しているが時期尚早”という解釈がより正確だと思います。「短期的に不可能」というのはまさにそのことでしょう。石破さんも「一朝一夕にできるとは思っていない」と言っているように、アジア版NATOというのは未来を据えた構想です。 したがって、日本の防衛システムについて、未来に必要となるかもしれないアジア全体を考慮に入れた日本防衛システムについて、もういまから考えていかなくてはならない、だからその議論を始めるためにあえて一石を投じた、というのがアジア版NATOの意義だと自分は思っています。これまでは無視されていたかれの構想に対して、いろいろな批判がいま出ていることがその成功を裏付けています。 ところで、特に注意を払うべき点は「アメリカの力が相対的に弱体化している」というアジア版NATO構想における石破の原点です。ここが、そもそもなぜアジアを含めた日本防衛システムが必要になる、とかれが考えたその出発点となるところです。それを理解するには、日米安保に関する石破さんのこれまでの発言を学んでおく必要があります。それはどういうものかというと、「日本はアメリカが守ってくれるから安心だ」という多くの日本人が思い込んでいる一種のお花畑の神話に対して彼がひじょうな危機感を持っているところです。 かつてトランプさんが日米安保条約を疑問視して、日本に核武装させて米軍を撤退させる、という話をしたことがありますが、それは笑い話で終わらすことはできません。実際アメリカではウクライナ支援を続けてゆくことに疑問を持つ人が増えており、「アメリカ・ファースト」という感情にとって、そういう姿勢は考えられないことではありません。 また、たとえアメリカが今後もアジア防衛に興味を持ち続けたとしても、その力はアジアや日本を守るのに十分なのかについても考えなければならないときにあると自分は考えます。今中東で戦争が続いています。これがさらに拡大すれば、アメリカの関心も資金もますますそちらに行くでしょう。それにくわえて、ウクライナ戦争も続いており、もしウクライナがロシア内にむけた中・長距離ミサイルを使用し始めると、ヨーロッパにおける戦火がますます拡大することが考えられます。アメリカはそれも無視することができないでしょう。そういうなかで、アメリカのアジア防衛のための力が相対的に弱体化することは明らかです。 アジア版NATOとは、まさに、アメリカが助けに来てくれなくても、自らの国の自由と独立を守るためにはどうすればよいか、という問いに応えようとする試みです。したがって、そういう議論が進むことは、日本にとっても、アジアの諸国にとっても、またアメリカにとっても好ましい、と自分は思っています。そういう意味で、石破のアジア版NATOは無視できない意義を持っていると思います。

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