https://www.yomiuri.co.jp/world/20241109-OYT1T50023/
【ワシントン=向井ゆう子】米国の第1次トランプ政権下の2018~19年に国家安全保障担当大統領補佐官を務めたジョン・ボルトン氏(75)が、読売新聞の取材に応じた。第2次トランプ政権の外交は、1期目以上に孤立主義的な傾向を強めるとの見方を示した。
トランプ前大統領は、外国の国家元首と個人的に良好な関係を築けば、その国とは良好な関係だと信じている。それは現実とは違う。トランプ氏は1期目と同様、2期目もまともな大統領にはならないだろう。
トランプ氏には「予測不能」というリスクがある。2期目がスタートしてすぐに、米大統領として初めて北朝鮮の平壌を訪問したとしても、全く驚かない。
再び大統領になれば、1期目より間違いなく危険になる。新たに高官に任命される人は、「2020年の選挙は盗まれたと思うか」と聞かれ、「正しい答え」を言わなければならない。本来は高官にふさわしい多くの人が政権には入らないだろう。
トランプ氏にとっての忠誠心とは、「結果を考慮せずに、私の言うことを実行する」ということだ。彼は哲学がなく、政策についても考えがまとまっていないが、直感の大部分は孤立主義的だ。止めるには議会の力が必要だが、翻意させられなければ、孤立主義的な政策を追求するだろう。
安倍元首相は、1期目のトランプ氏に最も影響を与えた指導者だ。粘り強く、辛抱強く、日本にとって正しいと信じることを行った。
今のトランプ氏に影響を与えそうなのは、むしろ敵対する側だ。中国の
米国では2種類の孤立主義が台頭している。一つ目は、世界に関わらないとして同盟や国際枠組みを拒絶する立場だ。二つ目は、欧州も中東も優先事項ではないとして、中国の脅威だけを重要視する考え方だ。
だが、共和党内でこうした孤立主義的な考え方は依然として少数で、「力による平和」(米国が軍事的に
現在のトランプ氏に助言している人々の個人的な見解も、こうした路線だ。彼らはトランプ氏が逸脱していることを理解している。正しい方向に進むことを期待しているが、希望にすぎないだろう。
(インタビューは11月4日に実施)